2024年6月8日土曜日

相続登記義務化

 ずいぶん久しぶりに書きます


相続登記が義務化になって2ヶ月が経ちました。

私の事務所も、なんとなく相談者の数が増えたような気がします。ところで、義務化によって司法書士が儲かる、なんて巷では言われていますが、果たしてそうでしょうか。

法務局では「相続登記手続相談」なるものが開催され、そこに一般の市民の方が自分で登記をしようとしてやって来ます。国が決めた法律の受け皿を国が作るのは当然かもしれませんが、「義務」というの名で一般市民を焦らせたため、寝た子を起こすことになって慌てて受け皿を作ったような感じです。

司法書士に流れてくる方もいますが、自分で頑張って登記しようとする人や、中には怪しげな「登記代行」業者に依頼する人も結構いるそうです。怪しげな業者は司法書士法違反なんですけどね、一般市民はそこまで知らないでしょうでど(絶対に依頼はやめましょう)。

ですから、義務化になっていなければ怪しげな業者も相続登記報酬のうま味に目を付けませんから、少なくともその分は司法書士に流れてきたのではないかと思う次第です。


2021年11月13日土曜日

前登記証明

根抵当権の追加設定をする際、前登記証明なるものを添付することがあります。A管轄で登記された根抵当権の追加設定をB管轄でするときです。

私の受験時代は全国の法務局のネットワークが未整備で、要するにB管轄ではA管轄の登記情報が見れない、ということです。そのためB管轄で追加設定するには、確認のためにA管轄の登記情報を付けないといけません、ということです。理解できます。追加設定は登録免許税の減税がかかるため、そのための添付書類とも聞いたことがあります。

時は流れ、法務局のネットワークがが完成し、今ではどの法務局でも全国の登記情報が得られるようになりました。

例えば、同時にA管轄、B管轄で共同根抵当権の設定の際にはA管轄の登記がされていませんからB管轄に対してA管轄で取得した前登記申出書を添付して減税を受けるということがあります。しかしすでにA管轄で登記済のケースでも同じように前登記証明の添付を求めるのは何故だろう?

オンライン申請の場合、照会番号付きのネット情報を提供すれば前登記証明の添付は免除されるのですが、なんだか必要性の意味がよくわからないんです。

2021年10月14日木曜日

備忘録

本店移転と支店移転を同時に

商業登記で登録免許税の同じ区分では、一括申請をすれば1回分の登録免許税を納めればよい。

例えば 目的変更と発行可能株式総数の変更登記はともに定款の変更事項で登録免許税の区分は(ツ)の3万円。二つの登記でも一括申請なら3万円の一度で済む。別々に登記すれば3万円を別々で納める。だからできれば一括申請したい。

では、次の場合はどうか。

同一管轄内で本店と支店(1か所)を入れ替える。本店移転と支店移転は同じ区分の(ヲ)の3万円。上記のとおりで考えれば一括申請だから3万円の納付で済む、と考える。

しかし、ここは本店移転3万円と支店移転3万円がかかる。

登録免許税法の区分(ヲ)には「本店若しくは主たる事務所又は支店若しくは従たる事務所の数」1か所につき3万円。

何やらわかりづらいが、法務局でもかなり古い先例があり、そのため3円か6万円かで疑義があり、結局のところ本局審査で6万で決着をした。



2021年10月1日金曜日

備忘録

 かきかた講座

法人が金融機関から融資を受ける場合、根抵当権の連帯債務となることがあります。会社と代表者の連帯債務です。

会社が商号変更し、代表者も住所変更をしていると、金融機関から、ちゃんと債務者の名義変更をしてほしいと言われます。現在の商号と住所に直してくれ、と。

○番根抵当権変更
原因 令和○年○月○日債務者Aの住所変更
   令和○年○月○日債務者株式会社Bの商号変更
変更後の事項 債務者Aの住所及び債務者株式会社Bの商号
   債務者 新住所 A
   債務者 本店所在地 株式会社C
   会社法人等番号 123456789012(ここに会社法人等番号を記載)
添付書類
   登記識別情報通知
   登記原因証明情報→法人の商号変更は不要
           →個人の住民票(前住所とつながる)は必要
   印鑑証明書
   委任状(権利者・義務者)
   会社法人等番号


こんな感じになります。


2021年9月28日火曜日

備忘録

所有権移転登記(仮に原因日付10月1日だとする)

義務者 A法人のケースで、実はA法人は9月25日に本店移転しており、10月3日に商業登記(本店移転)をする。

決済時の印鑑登録は旧所在地のままで、義務者の表示も旧所在地で登記申請をした。

このケースで名義変更登記をすることなく所有権移転登記は出来る。というより名義変更登記は出来ない。

本店移転は決済日より前にされているが商業登記と不動産登記は連動していないためこのようなことが可能。後日商業登記で、不動産登記の名変登記がないことを指摘されることはもちろんない。

2021年9月27日月曜日

備忘録

 根抵当権者(金融機関)の表示の取扱店について、記載に誤りがあり錯誤による更正登記をしなければならない場合。

単独申請で申請人は登記名義人の根抵当権者。登記の目的は「何番根抵当権更正」、原因は「錯誤」、更正後の事項は「登記名義人取扱店更正 A銀行 (取扱店 B支店)」

となります。



2021年2月19日金曜日

遺産分割

先日、お客さんから相談された相続登記の件でのことです。

内容は、

相続人が何人か(仮に5名)いて、このうちの数名(仮に3名)にすべての財産をそれぞれ3分の1づつの割合で相続させる旨の遺言がある。さらに、

この3名の話し合いで相続分を分けてもよい(つまり遺産分割協議をしてもよい)ということも書かれている。

このような状況で、遺言と遺産分割協議書を添付してはたして相続登記ができるのか、という疑問がわきました。民法907条の遺産分割の条文に「共同相続人は」とあり、この共同相続人の定義に当てはめると、果たして遺言で指定された3名だけでよいのかという疑問です。

いろいろと調べてみたものの、なかなか回答らしい書物も見当たらず、仲間の司法書士や弁護士先生にも聞いたりした結果、「できない」派が多数ではあるものの、決定的な見解は出ず、藁をもすがる思いで法務局へ照会をかけたところ、意外な回答が出ました(1か月ほど待ちましたが・・)。

登記研究565号141項に答えがあるとのお返事。

「できる」が答えでした。

このあと、登記は出来たとしても、残りの2名が異議を訴えて法廷に事件を持ち込んだ場合、登記先例があるという理由で2名は負け、となるのでしょうか。

また解らなくなってきました。

2021年1月6日水曜日

2021年

本年も杉森オフィスをよろしくお願いいたします。

昨年はコロナのおかげで大変な年でした。今年のうちにワクチンがすべての人にいきわたり、コロナが終息することを期待したいです。

無理かな・・。

杉森オフィスの昨年の業務は、登記、成年後見、任意後見、財産管理は今まで通りですが、家族信託も実践しましたし、まさかの供託手続きのご依頼もあり、何とかコロナ禍を乗り切ることができました。これもすべてお客さまのおかげです。コロナ禍の中、わざわざ事務所まで足を運んでいただいた多くのお客さまには心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

とはいっても、コロナ禍はまだ進行中。今年はどうなるかわかりません。また一から出発です。

うちの事務所とは関係ありませんが、昨年末に司法書士試験の合格発表がありました。いつもはたしか9月末か10月でしたが、コロナの影響で試験が遅れ、発表もずれ込んだようです。合格者のうち、名古屋地区(愛知、岐阜、三重、北陸地方)は全員でたったの44名。本当に少なくなりました。

司法書士、不人気なのでしょうか。以前にも書きましたが、ライバルが減ってよかった、とまで言っていられないほど、あまりの少なさにびっくりです。



2020年1月6日月曜日

新年早々

新年早々法務局でのシステム障害が発生しています。おかげでオンラインでの登記申請ができません。
困ったものです。

本年もよろしくお願いいたします。

新年あけましておめでとうございます。
杉森オフィスも昨年10月に開業7年目を迎え、また一つ新しい年を迎えることができました。これもひとえにこれまで支えてくださいました皆様のおかげだと心より感謝いたしております。
昨年は、登記業務、後見業務、訴訟業務に加え、民事信託業務、死後の財産管理業務も行い、新たな挑戦の年となりました。本年も昨年と同様、新たな業務を積極的に行い飛躍の年にしたいと思っています。そのためにも、初心を忘れず、仕事は一つ一つ丁寧にそして真剣に向き合う心構えをもって挑んでいきたいと思っています。

みなさま、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。