2015年4月22日水曜日

持分放棄・・

共有者5名(各持分5分の1)のうち、AさんとBさんはその持分を放棄した。ところが、登記権利者として委任状を出すのはCさんのみ、残るDさんおよびEさんは登記に協力しない。農地で、実質の管理者、固定資産税の支払も全てはCのみといった状態。
この場合、
登記権利者 持分15分の2C 
登記義務者 AとB
このようにして登記は出来る。DとEは民法177条の対抗をすることができないという立場になるだけである。
持分放棄書には、A、Bそれぞれ、自分の持分全部を放棄する、旨の記載がある。しかし、
登記の目的  A持分15分の1、B持分15分の1移転 
となる。法律上は、A、B持分全て移転されているのであるが、登記上はあくまでもCへの移転のみであるので、一部移転が登記の目的になる。よく考えれば当たり前である。わたしはこれを全部移転として、補正をくらってしまった。情けない・・。
しかも登記原因証明情報の書き方になかなかテクがいる。と言うのは・・、放棄の場合の登記原因の事実は、
1 平成年月日、AおよびBは、本件不動産の共有者C、DおよびEに対し、共有持分5分の1の全部を放棄した。
2 よって、平成年月日、AおよびBからC(持分15分の2)D(持分15分の2)およびE(持分15分の2)に本件不動産の共有持分全部が移転した。
ここまでしか書かなかった。当然これではいけない。したがって、
3 しかし、DおよびEは本件登記の申請意思がない為、登記権利者はCのみとする。
などと、追加で書き加えることに。へんてこな文章ではあるが、これで登記原因証明情報として完成。
オンラインのPDFで登記原因証明情報を提出していたが、補正で済ますことができただけよかったかも。
後日、DとEもCへの放棄の登記に協力するといったら、改めて、
登記権利者 持分15分の2D 持分15分の2E
登記義務者 A、B
更に
登記権利者 持分15分の10C
登記義務者 C、D
となり、もういちどAとBには登記に協力してもらうしかない。