2014年8月25日月曜日

何もしないリスク・・

河合先生のセミナーで言われていたことで、「生命保険の加入は誰でもしているのに、遺言はそうでもない。」の言葉に、日本人の『死後』に対する意識のありかたが現れてるようです。生命保険も遺言も残す方にとっては似たような事なのに・・。
日本人の遺言率は5%、それに比べて欧米では50%程度。しかし日本人は生命保険はしっかりかけている。どうやら死後、最も心配になるのは遺族に残す『お金』、それだけ、という認識ではないでしょうか。逆に『お金さえ残せば遺族は安心』という考えかもしれません。しかし相続問題でよく言われる『争族』に陥るケースはお金持ちに限った話ではなく、むしろ遺産総額2,000万円から3,000万円のケースが最も多いと言われています。平均的な一般家庭でしょうか。遺言が無ければ法定相続となってしまうことは誰でも知っているのですが、この法定相続が『争族』の原因になるという所までの認識は薄いようです。たとえば相続人の嫁の「もらえるものはもらっておけば。」という言葉に煽動された夫が、今までの兄弟関係にひびの入るような行動に走ってしまうなんてことは頻繁です。
河合先生の言われた『とりあえず遺言』。お客様にもこれから積極的に説明はしていきますが、もう少し遺言に対する認識のハードルを下げるような努力もわれわれ法律家には求められているのではないでしょうか。この『何もしないリスク』をもっともっと広く知ってもらう必要があると感じます。