2014年8月8日金曜日

武富士訴訟・・

昨日名古屋地裁で、旧武富士の経営陣(故武井保雄被告ら親族)を相手どり、過払い金の不払いをされた原告が提起した損害賠償請求事件の判決が言い渡され、その傍聴に行ってきました(言い渡しだけですのでほんの1分足らずでしたが。)
その請求原因は民法709条の不法行為、会社法429条の役員の第三者に対する損害賠償責任のようです。
請求は棄却され原告敗訴でした。
これらの訴訟は全国で展開されており、ほとんどが原告敗訴の判決です(一度だけ横浜地裁で原告勝訴の判決でしたが、高裁で逆転敗訴しています)。被告の主張する『引き直しによる計算の義務は無かった』との言い分が通ったり、逆に『経営破たんした原因に被告らによる故意または重過失は認められない』と認定されたりしています。経営破たんの原因となった過払い金の返還、その根拠となった利息制限法を超える利息の引き直しを放置した経営陣の責任はことごとく認められていません。
私なりに、この一連の判決で思うのは、もしこの訴えを全面的に認めると、社会的影響が大きいことによる司法の配慮がうかがえるということ。利息制限法を超えた支払いは無効で、その超過部分は違法なお金です。その違法性を前面に出して、違法=返還義務となってしまえば、同業他社の倒産に拍車をかけることになってしまうことです。そうした社会的混乱を司法は避けているように感じます。
莫大な資産をいまだに保有し続ける親族に対する憤りの念は理解できますが、司法の壁は厚く、高いです。
ところで問題です。名古屋の管轄で裁判が行われた根拠条文は?弁護士さんはもちろん、認定司法書士なら即答できますよね?